睡眠薬は怖いと思う前に。知っておきたい薬の働き

2019年4月10日

不眠は自覚しているけど、睡眠薬を飲むのはなんだかコワイ・・
犯罪に使われる薬のイメージがある・・

など、睡眠薬のことを正しく知らないままネガティブな印象を持っている人はいませんか?

本当に危険かどうか、薬の働きや特徴を理解できれば考えが変わるかもしれませんよ。

睡眠薬は危険って昔話?コワイ成分と安全な成分がある

危険な睡眠薬と安全な睡眠薬

どうして睡眠薬に対して否定的なイメージを持ってしまうのでしょう。

過剰摂取で亡くなった女優さんがいるから
レイプ・ドラッグとして悪用されているから

たしかに、間違った服用による怖いエピソードはいくつもあります。
そのせいで、「睡眠薬は危ない」という先入観を持っているのかもしれません。

でもそのままではもったいない!睡眠薬が眠りに効く仕組みや作用の強さ、副作用についてちょっと理解を深められたら、マイナスな思い込みは変わるはずです。

飲みすぎると死ぬ・・?バルビツール酸系は昔の薬

睡眠薬=コワイ薬というのは、バルビツール酸系薬剤のこと。
1920~1950年代に唯一の睡眠薬として用いられていました。

中枢神経の働きを抑える向精神薬のひとつで、鎮痛剤や麻酔薬、抗てんかん薬としても有効。
大脳皮質や脳幹に作用して脳の覚醒状態を抑制することで、眠くさせたり痛みを感じにくくさせたりします。

薬の作用に問題はないものの、治療に適した量と致死量がきわめて近いことが難点。
当時の医師でも安全に使いこなすことは難しかったようで、高用量の服用で患者が死亡してしまったケースも。
用量の管理が難しいうえに服用を続けるとどんどん効きづらくなり、さらに依存性も高いことから、1971年には向精神薬に関する条約によって国際的に管理されることとなりました。

現在の睡眠薬、主流はベンゾジアゼピン系&非ベンゾジアゼピン系

バルビツール酸系薬剤と世代交代するように登場したのが、ベンゾジアゼピン系の薬剤
耐性がつきにくく依存の危険も低めで、もし過剰に摂取したとしても死に至ることはないのが大きな特徴です。

おもな働きは、中枢神経を抑制するGABA(脳内伝達物質)を活性化させて脳の働きを穏やかにすること。
緊張や興奮、不安を鎮めるほか筋弛緩作用もあるので、ココロも身体もリラックスした状態へと促します。
脳に作用することから、ベンゾジアゼピン系には抗不安薬としても用いられる薬剤もたくさんあります。

ここからさらに睡眠だけに特化しているのが、非ベンゾジアゼピン系
入眠作用は維持しながらも筋弛緩作用は減少しているので、ふらついたり転んだりという副作用は緩和されています。
足腰が弱くなっている年配の方でも安心して服用できるのは、大きなメリットですね。

ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬
アモバン、マイスリー、ルネスタ、ハルシオン、サイレース、ロヒプノールなど

睡眠薬選びのポイントは即効性と作用時間

睡眠薬は即効性と作用時間で選ぶ

よく効く睡眠薬や強い睡眠薬って、なにを基準に判断しますか?

眠りにつくまでの速さ?
眠りを維持する時間の長さ?

自分が求めている効果を得るためには、睡眠薬のパワーの違いを知ること。
眠りに効く仕組みや薬の特徴について、サクッとみていきましょう。

半減期って知ってる?

どんな医薬品にも半減期(はんげんき)があります。

半減期とは、有効成分の血中濃度がピークに達してから半分に減るまでにかかる代謝スピードのこと
作用の持続時間とほぼイコールと考えられています。
とはいえ成分が体内からすべて抜けきるまでには、さらに時間が必要。

たとえば半減期が6時間という場合、血中濃度が最高値になってから6時間後に血中濃度50%。
さらに6時間経過して25%に減少し、また6時間後に12.5%・・という感じで代謝していくわけです。

つまり成分が完全になくなるまでには、半減期の4倍以上の時間がかかるということ。
半減期が長いほど睡眠は維持できますが、それ以上にだるさや眠気をひきずりやすくなってしまいます。

作用時間の長さ≒強さ?

ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、半減期の長さによって分類されます。

最高血中濃度になるまで 半減期
超短時間型 1時間以内 2~4時間
短時間型 1~3時間 6~10時間
中時間型 1~3時間 12~24時間
長時間型 3~5時間 24時間以上

血中濃度がピークになるまでが早ければ早いほど、入眠にかかる時間が短いということ。

「とにかく寝つきをよくしたい!」という人には、超短時間型~短時間型がピッタリです。
また、寝つきはまあまあだけど夜中に起きることが多いのなら、短時間型~中時間型がおススメ。

入眠スピードに優れた睡眠薬は作用時間も短く、翌朝スッキリ起きられるのがメリットですが長く眠りたい人には物足りないかも。
反対に長時間眠れる薬は効き始めるまでに時間がかかるというデメリットがあるので、不眠の症状に適したタイプの睡眠薬を知る必要があります。

眠れるカラダ作りを目指す!じっくり系睡眠薬

ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系は脳に作用して強制的に眠りやすくしてくれますが、もっとナチュラルな働きの睡眠薬もあります。

眠りたい夜にすぐ効く、飲めば確実に眠れるというわけではありませんが、もともと身体に備わっている眠るチカラをサポートしてくれます。

睡眠ホルモンに作用!メラトニン受容体作動薬

メラトニンって聞いたことがありますか?
体内時計が正常に機能するようコントロールする働きをもっていて、睡眠ホルモンと呼ばれています。

陽が昇ると起きて、太陽が沈むと眠りにつくという生活サイクルは、メラトニンが正しく働いているからなんです。
ところが加齢や不規則な生活によってメラトニンの分泌量が減少すると、体内時計が乱れてしまってうまく寝つけないということに。

メラトニン受容体作動薬はメラトニンの受け皿を増やして活性化を促し、スムーズに眠れるリズム作りをサポートします。

メラトニン受容体作動薬
ロゼレム

脳の切換えをスムーズに!オレキシン受容体拮抗薬

オレキシンは1998年に発見された、比較的新しい存在の神経伝達物質です。

オレキシン受容体に作用して脳を覚醒させる作用があり、この働きを弱めようとするのがオレキシン受容体拮抗薬。

オレキシンの受容体への結合を妨げて、脳のコンディションを覚醒から睡眠へと移すことで自然な入眠作用を発揮します。

オレキシン受容体拮抗薬
ベルソムラ

Posted by TAGUTI


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